京都俳句賞

京都俳句賞応募作品9

9.中田真綾「実存の証明」

9.中田真綾「実存の証明」

透明な椅子を吊るして春の園
朧なる猫と君と存在している
ミモザ、ミモザ(feat.Existence precedes essence)
ぶらんこの無限に揺れている痛み
黒板に触れれば燃える春の星
身体を証明して卒業の踊り
鳥風にどこまでも蹴っているボール
小灰蝶 神様モ首都高ヲ通ル
春風の遺書を刷ってよ輪転機
雪間にキーチェーン光はとどめない
弓でもいいから射るべきだクレソン
死ぬときも春濤に両腕のなく
歩道橋を右に曲がった・ら・落椿
ドクターは薊の仕組みを知っている
ぼくの影だって踏んでよ百千鳥
雪ざらし教室は海馬と呼ばれ
自殺幇助により初虹に手をかける
耳という業を背負ってシネラリア
花冷えにピカチュウの心音を聞く
背伸びして見る小暑の火葬炉
扇風機の初動のような声で名前を
聖五月天使ノ剥製ヲ飾ル
バットエンドでもかき氷食うよ
天国を割いて花火が坂の上
炎昼に歯の外郭と立っている
幽霊を連れて終電八号車
風死して人間のような椅子だね
終戦記念日校舎ニ大量ノ蛇口
十月の教室肺を吊り上げる
鳳仙花この地獄も他人のもの
催眠の椅子は伏せられ大花野
プールへと月を沈める子供たち
初駅にコインロッカーむげんに続く
この腕が弓だったなら月凍る
寒昴コピー機の完璧な海馬
太陽が眩しくて人参を抜く
The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Livingの鮫
綿虫を姉だと思い込んでいる
シュレッダー溢レ雪雪雪ノ街
暴力のような鍵だね風疼く
咳をして咳をして頭は僕の皿
一月の肺のトンネルを抜ける
水仙のブラウザに一隻の船
座り込めばスワンそこにいたのか
壊れた椅子・壊れていない椅子・鮫
大江忌の水槽に赤子を連れている
詩をこぼしながら雪原どこまでも
神なんていない濃霧の街に駅
コインロッカーに鮫 僕を見ていた
波の花ここから忘却を演じる

計28時間約2200句が誕生した例のパフォーマンスがアーカイブに!

2025京都大学祭NF企画「東海。道五。拾三。次。」のアーカイブページが公開されました。

収録内容に、

・映像3時間

・コラージュ作品12点

・俳句約2200句

・パフォーマンス写真140点ほど、その他パフォーマンス映像など

こちらからご覧いただけます

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